診療支援
診断

肝膿瘍(細菌性)
Liver Abscess(Bacterial)
小木曽 智美
(東京女子医科大学講師・消化器内科)

頻度

ときどきみる

【1】肝膿瘍とは,細菌や原虫(赤痢アメーバ),真菌が肝臓内に侵入し,そこで増殖し,膿が溜まった状態を指す。

【2】細菌性の起因菌は,日本ではKlebsiella pneumoniaeが最も多く検出される。

【3】細菌性の多くは右葉に局在する10cm未満の単発の腫瘤を形成する。

【4】細菌性肝膿瘍は,感染経路により経胆道性,経門脈性,経肝動脈性,外傷性,特発性などに分類される。頻度は急性胆管炎や急性胆囊炎に生じた細菌感染症が逆行性に直接肝臓に及んで起こる経胆道性感染が多い(40%)(Sabiston Textbook of Surgery: 1534-1539, 2004)。しかし,明らかな原因がない特発性も40%と高率に報告される。

【5】経門脈性の場合は,虫垂炎,大腸憩室炎など腸の感染症が原因で,腸管内の細菌が血流に沿って感染する。

【6】その他,経肝動脈性(口腔内感染症,感染性心

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