診療支援
診断

慢性膵炎
Chronic Pancreatitis
水野 卓
(埼玉医科大学准教授・消化器内科・肝臓内科)

頻度

ときどきみる(52.4人/人口10万人)

GL

慢性膵炎診療ガイドライン2021(改訂第3版)

診断のポイント

【1】アルコール多飲歴。

【2】血中膵酵素の低下または上昇。

【3】膵の石灰化。

【4】主膵管の不規則な拡張。

【5】膵実質の萎縮。

症候の診かた

【1】腹痛

❶最も頻度が高く,約半数で認められる。上腹部痛を訴えることが多いが,背部痛を訴えることもある。症状発現の頻度は毎日~年に数回程度とさまざまであり,アルコールや脂肪の摂取が増悪因子となることがある。

❷病期が早いほうが腹痛を伴う患者が多い。病期が進行して非代償期に至ると,腹痛を訴えることは減少する。

【2】下痢

❶膵外分泌機能の低下による消化・吸収障害から,便回数の増加,便量の増加をきたす。

❷膵外分泌機能不全では膵リパーゼの減少とともに膵液中重炭酸塩濃度も低下するため,十二指腸内のpHが低下して胆汁酸の沈殿を生じ,脂肪のミセル化も障害される。その結

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