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GL
膵癌診療ガイドライン2022年版(第6版)
診断のポイント
【1】60歳以降の高齢の男性に多い。
【2】5年生存率は8.5%,0・Ⅰ期膵癌の予後は良好。
【3】初期では無症状が多い。進行膵癌では腹痛,背部痛,黄疸,体重減少など。
【4】危険因子(表1図)の保有に注意。
【5】早期診断には,膵管拡張,膵囊胞,限局的膵萎縮などの間接所見に注意。
症候の診かた
【1】軽症膵炎後の検査で早期の膵癌が発見される場合あり。
【2】家族歴,糖尿病や慢性膵炎の病歴,喫煙,飲酒歴などの有無を問診する。
【3】黄疸,リンパ節腫大,疼痛の有無,腫瘤の触知,胸腹水を確認。
【4】危険因子の保有,血清膵酵素や腫瘍マーカーの異常,膵の画像異常所見があれば精査。
【5】糖尿病の新規発症(特に1年以内)および増悪,慢性膵炎(特に診断後2年)は膵癌の発症を念頭に精査・経過観察を行う。
【6】膵管内