頻度
ときどきみる
GL
2023年改訂版 心筋炎の診断・治療に関するガイドライン
診断のポイント
【1】症候として,ウイルス感染症状と心症状とが併存する。
【2】心電図と心筋トロポニンの診断感度が高い。
【3】冠動脈疾患の除外と心筋生検により診断が確定する。
【4】心臓MRIの有用性が増している。
【5】劇症化の予見法は確立していない。
緊急対応の判断基準
【1】病初期に無症状でも,短期間で血行動態が破綻する場合すらあり,確定診断もしくは疑い診断の時点で全例が緊急対応の対象と考える。
【2】血行動態が不安定な症例では,集中治療室もしくはそれに準ずる管理体制に置く。
症候の診かた
【1】前駆症状:心症状が出現する数日~1週間ほど前に,発熱を伴う感冒様症状がある。嘔吐・下痢など消化器症状がみられることもある。
【2】心症状:胸痛・呼吸困難・動悸・失神があるが,無症状例も存在する。
【3】身体所見:低血圧,心ギャロップ音,脈