頻度
ときどきみる(有病率1/1,000~2,000人)
GL
2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン
診断のポイント
【1】Kent束(房室を短絡する副伝導路)に順行(房室)伝導の存在する顕性WPW症候群では洞調律の12誘導心電図において以下の所見を認める(図1図)。
❶PR間隔の短縮。
❷QRS波初期成分にスラー状の異常波(デルタ波)。
❸QRS波幅の増大。
❹2次性のST-T変化。
【2】Kent束に逆行(室房)伝導しか存在しない潜在性WPW症候群では,洞調律時にデルタ波が出現せず,異常所見を認めない。
【3】症候性WPW症候群では,1)順行性房室回帰性頻拍,2)逆行性房室回帰性頻拍,3)偽性心室頻拍などを呈する(図2図)。
緊急対応の判断基準
【1】洞調律時には緊急治療は不要。
【2】房室回帰性頻拍は,順行性・逆行性とも一般に血行動態が破綻しないが(図2a,b図),念のため直流除細動を