診療支援
診断

●呼吸器疾患 最近の動向
宮崎 泰成
(東京科学大学教授・統合呼吸器病学)


 肺炎は呼吸器疾患のなかで常に日本人の死因の上位を占める。2022年の厚生労働省死因統計では,肺炎は第5位,誤嚥性肺炎は第6位,両者を合わせると第4位となっている。肺炎の死亡数はやや減少傾向であるが,誤嚥性肺炎の死亡数は増加傾向であり,超高齢社会における高齢者肺炎の増加を反映している。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが,2023年5月8日に「5類」に移行した。新型コロナウイルス肺炎の流行に応じて,さらなるパンデミックも踏まえてウイルス性肺炎が注目されている。

 結核は減少傾向にあり,2022年結核罹患率は10万人対8.2となり結核低まん延国となった。高齢者結核,外国出生者の結核,多剤耐性結核などが課題となっている。非結核性抗酸菌症は中後年女性を中心に増加傾向にある。「成人肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解─2023年改訂─」が日本結核・非結核性抗酸菌症学会より発表され注目された。

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