今日の診療
診断

マイコプラズマ肺炎
Mycoplasma pneumoniae Pneumonia
宮下 修行
(関西医科大学教授・呼吸器感染症・アレルギー科)

頻度

よくみる(小児科領域ならびに青年・若年成人で)

GL

成人肺炎診療ガイドライン2024

診断のポイント

【1】年齢60歳未満。

【2】基礎疾患がない,あるいは軽微。

【3】頑固な咳がある。

【4】胸部聴診上所見が乏しい。

【5】迅速診断法(グラム染色や尿中抗原検査)で原因菌が証明されない。

【6】末梢白血球数が10,000/μL未満。

【7】β-ラクタム系抗菌薬が無効。

症候の診かた

【1】肺炎像を認めても比較的軽症であることが多く,入院を必要としない場合が多いため“walking pneumonia(外来で治療を受ける肺炎)”と呼称されている。

【2】咳嗽と発熱は必発で,咳嗽での夜間覚醒や仕事への支障などが特徴である。

【3】感染の主座は,病初期は気管支~細気管支領域であるため,聴診では副雑音を聴取しにくい。

検査所見とその読みかた

【1】末梢白血球数が正常であることが多い。

【2】細胞性免疫の過剰反応が気管支血管周

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