診療支援
診断

ネフローゼ症候群
Nephrotic Syndrome
丸山 彰一
(名古屋大学大学院教授・病態内科学腎臓内科)

頻度

ときどきみる(一次性ネフローゼ症候群の新規発症患者は,年間6,000~7,000例と推測される)

GL

エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2020

診断のポイント

 ネフローゼ症候群は,腎糸球体係蹄障害による蛋白透過性亢進に基づく大量の尿蛋白とそれに伴う低アルブミン血症を特徴とする症候群である。診断基準を表1に示す。

緊急対応の判断基準

 下記のような状況があり自施設で対処が困難な場合は高次医療機関へ搬送する。

【1】体液過剰:大量の胸水が貯留すると呼吸状態が悪化する。

【2】急性腎障害:ネフローゼ症候群に伴う急性腎障害は予後不良因子の1つである。

【3】感染症

❶ネフローゼ症候群では,尿中喪失に伴う低γグロブリン血症や補体関連蛋白低下,Tリンパ球反応不全などから,免疫力が低下する。

❷原疾患治療のためのステロイドや免疫抑制薬などにより,易感染性をきたす。

症候の診かた

【1】体液過剰(浮腫,

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