診療支援
診断

ヘモクロマトーシス(鉄過剰症)
Hemochromatosis(Iron Overload)
髙後 裕
(国際医療福祉大学教授・消化器内科学)

頻度

あまりみない

遺伝性ヘモクロマトーシスと二次性ヘモクロマトーシスがある。わが国では,遺伝性ヘモクロマトーシスはまれである。特にHFE遺伝子(HFE)異常の報告例は1例のみである。ヘモジュベリン(HJV),トランスフェリン受容体2(TFR2)ならびにフェロポルチン遺伝子(FPN)異常をもつ家系が報告されている。ヘモクロマトーシスのほとんどは,二次性であり,その多くは,慢性貧血に対する頻回の輸血によるもの(輸血後鉄過剰症)である(表1)。

GL

輸血後鉄過剰の診療参照ガイド 令和4年度改定版(2023)

診断のポイント

【1】鉄過剰になっていることを示す理学所見,血液生化学的所見がみられる。

【2】臓器の鉄沈着を示唆する画像所見,組織所見がある。

【3】肝臓,心臓,膵臓,下垂体,皮膚,関節などに特徴的所見がある。

症候の診かた

【1】自覚症状:自覚症状は出現しにくい。組織学的に鉄の沈着が認められても,症状

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら

トライアル申込ボタンを押すとトライアル申込ページに遷移します

トライアルの申し込みが完了しましたら,ライセンス情報更新ボタンを押してください