今日の診療
診断

抗リン脂質抗体症候群
Antiphospholipid Syndrome(APS)
奥 健志
(北里大学准教授・リウマチ膠原病・感染内科学)

頻度

あまりみない〔罹患率は1~2人/10万人年,有病率は40~50人/10万人で,人種差は乏しい(Curr Rheumatol Rep 23: 85, 2022)。わが国ではおよそ6万人以上の患者が存在すると推定されている〕

診断のポイント

【1】抗リン脂質抗体(APL)陽性と抗リン脂質抗体症候群(APS)の病態を認めることが必要である。APLは分類基準上,抗カルジオリピン抗体(aCL),抗β2GPI抗体(aβ2GPI),ループスアンチコアグラント(LA)の3種が定義されている。

【2】若年性の血栓症や頻度の低い希少部位の血栓症(副腎梗塞,門脈血栓症,網膜動静脈閉塞症など)を認めた場合はAPSを疑う。全身性エリテマトーデス(SLE)に合併しやすいことや,血小板減少症や低補体血症を伴うことも多いことは診断の一助になる。

緊急対応の判断基準

【1】あらゆる部位の血栓症を起こしうるので,急性期には臓器専門

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