診療支援
診断

全身性強皮症
Systemic Sclerosis(SSc)
藤本 学
(大阪大学大学院教授・皮膚科学)

頻度

ときどきみる

診断のポイント

 診断基準を表12に示す。

【1】女性に好発する。

【2】手指を含む皮膚の硬化がある(図1)。

【3】Raynaud現象が高率にある。

【4】爪上皮の出血点や爪郭部の毛細血管異常がみられる。

【5】抗核抗体が陽性で,特に疾患特異的抗核抗体が陽性である。

緊急対応の判断基準

【1】突然の著明な高血圧の出現:強皮症腎クリーゼが疑われるので,直ちに専門家のいる病院に移送する。

【2】頭痛,悪心などを伴い,血清クレアチニンの上昇が認められる。

【3】本症は比較的慢性の経過をとる病態が多いが,強皮症腎クリーゼは急速な経過をとり,治療が遅れると透析が必要となったり死に至ることもあるため,早急にアンジオテンシン変換酵素阻害薬の投与を検討する。

症候の診かた

【1】皮膚硬化

❶手指の硬化は必発であり,中枢側に向かって進行する。

❷皮膚硬化が肘・膝より中枢側に及ぶびまん皮膚硬化型と,それよりも遠

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