診療支援
診断

ウイルス性出血熱
Viral Hemorrhagic Fever(VHF)
加藤 康幸
(国際医療福祉大学教授・感染症学)

頻度

あまりみない

【1】VHFは特定のRNAウイルス(アレナウイルス,ブニヤウイルス,フィロウイルス,フラビウイルス)を病原体とする急性の発熱性疾患群である。特に致命率が高く,感染症法で1類感染症に指定されている5疾患(表1)が本項で解説する狭義のウイルス性出血熱である。

【2】これらの疾患はいずれも日本国内には常在しないため,1例目は海外で感染した旅行者に発生することが想定される。なお,国立感染症研究所村山庁舎にこれらの病原体は保管されている。

診断のポイント

 発熱,頭痛,筋肉痛などの全身症状に加えて,消化器症状,出血傾向,意識障害などの臓器不全の徴候を認める患者のうち,下記の項目を満たす場合には,VHFの可能性を考慮して診断を進める必要がある。

【1】発症前21日以内にVHFの患者の血液・体液に接触したことがある。

【2】あるいは,VHFが常在する地域において,サルなどの病原体保有動物の血液・

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