今日の診療
診断

ポリオ(急性灰白髄炎)
Poliomyelitis
宮崎 泰可
(宮崎大学教授・呼吸器・膠原病・感染症・脳神経内科学)

頻度

あまりみない

診断のポイント

【1】発熱や疲労感などが先行し,筋緊張低下を伴う筋力低下(弛緩性麻痺)が出現する。

【2】麻痺は下肢を中心に左右非対称性だが,球麻痺や呼吸筋麻痺が出現することもある。

【3】糞便,直腸ぬぐい液,咽頭ぬぐい液からのポリオウイルスの分離,またはペア血清で4倍以上の抗体価の上昇で診断する。

【4】野生株の流行は,ナイジェリア,アフガニスタン,パキスタンで認められ,ポリオワクチン未接種者の輸入感染症となりうる。

緊急対応の判断基準

 急激に球麻痺や呼吸障害が進行する場合は,集中治療が可能な病院へ搬送する。

症候の診かた

【1】非特異的症状:2~3日の潜伏期間ののちに発熱,頭痛,倦怠感,咽頭痛などを認める。

【2】髄膜炎:通常のウイルス性髄膜炎と同様の臨床症状で,後遺症を残さずに完治する。

【3】麻痺:発熱直後に出現し,数日でピークを認める弛緩性麻痺。下肢の近位筋優位に障害され,早期より

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