EBウイルス感染症は,多彩な疾患の原因ウイルスである。本項では,EBウイルス関連伝染性単核球症と慢性活動性EBウイルス病について概説する。EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症は,他項を参照(→)。
[Ⅰ]伝染性単核球症
頻度
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診断のポイント
【1】発熱,扁桃・咽頭炎,頸部リンパ節腫脹,および肝脾腫が主要な臨床症状。
【2】青年期以降が多いが,乳幼児の症例もあり。
【3】末梢血でのリンパ球優位の白血球増多,10%以上の異型リンパ球。
【4】血清抗VCA-IgM陽性,あるいはVCA-IgGペア血清陽性。
緊急対応の判断基準
急激に腫大した扁桃による気道閉塞の場合には,気道確保を行う。
症候の診かた
【1】発熱,咽頭炎,およびリンパ節腫脹が古典的3徴である。
【2】典型例では,肝脾腫や疲労・倦怠感を伴うことが多いが,特異的な症候はない。
検査所見とその読みかた
【1】血清ウイルス特異抗体価は,保険診療では1
関連リンク
- 今日の診断指針 第9版/血球貪食性リンパ組織球症・血球貪食症候群
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/2 伝染性単核症
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/3 HIV感染症
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