診療支援
診断

流行性耳下腺炎
Mumps
新庄 正宜
(慶應義塾大学専任講師・小児科学)

頻度

あまりみない(流行するとよくみる)

診断のポイント

【1】地域での流行,12~25日の潜伏期。

【2】耳下腺や顎下腺に,有痛性の腫脹。

【3】血清アミラーゼ(唾液腺分画)の上昇。

【4】後天的で恒久的な感音性難聴のまれな併発。

【5】髄膜炎,思春期以降の精巣炎・卵巣炎の併発。

緊急対応の判断基準

【1】発熱,嘔吐,項部硬直を呈した場合には髄膜炎を考えるが,根本的な治療はない。通常は自然軽快する。意識障害を伴う場合には脳炎の合併を考え,高次医療機関へ搬送する。

【2】思春期以降に15~30%に併発する精巣炎では激しい陰囊部痛を呈するが,根本的治療はない。

症候の診かた

【1】耳下腺の腫脹

❶発赤や硬結は伴わないが,疼痛を伴う。

❷下顎のラインが消失する。

❸最終的に両側性となるのは70%程度。

❹患者は耳介後部・頸部のリンパ節腫脹で本疾患を疑って受診するが,耳下腺は「耳の下の前」と説明するとよい。ただし,リンパ節も腫

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