診療支援
診断

成人の百日咳
Pertussis in Adults
國島 広之
(聖マリアンナ医科大学主任教授・感染症学)

頻度

ときどきみる(2019年には約1.5万例を超える報告)

診断のポイント

【1】学童期の小児に多く,成人では30~50歳台が好発年齢である。

【2】周囲や同居家族に同様の症候がみられる。

【3】潜伏期は7~10日(最大3週間程度)である。

【4】ワクチン接種歴や罹患歴を有する成人例では,乳幼児のような重篤な痙咳性の咳嗽はまれであり,持続する咳嗽が所見としてみられることも多い。

【5】症候や抗体検査,流行状況,届出に寄与するため,百日咳含有のワクチン接種歴を確認する。

症候の診かた

【1】約2週間続く上気道症状のカタル期に続き,2~3週間続く痙咳期,2~3か月咳嗽が続く回復期となる。

【2】発熱は少ない。

【3】発作性の咳込み,咳込み後の空嘔吐がみられる。

検査所見とその読みかた

【1】培養検査:Bordet-Gengou血液寒天培地を用いた百日咳菌(Bordetella Pertussis)の培養(図1)。グ

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