今日の診療
診断

リステリア症
Listeriosis
中村 敦
(名古屋市立大学大学院教授・臨床感染制御学)

頻度

あまりみない

診断のポイント

【1】Listeria monocytogenesに汚染された生野菜,乳製品,食肉加工品食の摂取。

【2】妊婦,乳幼児,高齢者,免疫不全者,制酸薬服用者や胃切除患者はハイリスク者。

【3】ハイリスク者の髄膜炎や敗血症。

【4】臨床症状から他の細菌感染症と鑑別することは困難。

【5】細菌性食中毒でみられる典型的な急性胃腸炎症状を示さない場合が少なくない。

緊急対応の判断基準

 本症が疑われる患者が敗血症や髄膜炎など重篤な病態を呈している場合には,すみやかな抗菌薬投与とともに全身管理を行う。

症候の診かた

【1】妊婦:細胞性免疫の低下する妊娠26~30週に発症しやすく,流産や死産をきたす。母体自体は発熱,倦怠感,頭痛,胃腸症状などのインフルエンザ様症状など比較的軽症で,無治療でも軽快する。

【2】新生児:早期発症型(乳児敗血症性肉芽腫症)は子宮内感染により分娩早期に多臓器に播種性膿

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