多細胞の寄生虫(蠕虫)は線虫,吸虫,条虫(サナダムシ)に大別され,その多くは経口的や経皮的,もしくは節足動物媒介性にヒトに感染する。ヒトが感染した際の症状は,成虫の寄生部位もしくは幼虫の存在様式(幼虫移行症,包虫や囊虫の形成など)と密接に関連する。診断には寄生虫の生活環や疫学情報などを十分に理解して適切な問診と検査を実施することが鍵となる。ヒトを終宿主とする寄生虫が感染した場合,幼虫はヒト体内で成虫となる。通常,腸管内や組織内に寄生する成虫を検出することはなく,確定診断は同成虫が産出する虫卵を便や尿・喀痰の中に検出したり,ミクロフィラリアなどの幼虫を血液中などに検出することによる。サナダムシの成虫寄生では,しばしば虫体の一部(片節の連なり)が便中に排出・検出される。一方,ヒトを終宿主としない寄生虫に感染した場合,感染幼虫はヒト体内で成虫になれず,虫卵や幼虫が産出・検出されることもない。そ
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●寄生動物疾患 最近の動向
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初出:今日の診断指針 第9版
発行:2025年2月
収載:医学書院 医療情報サービス(2025年9月29日 掲-ID:sin_05480-09_a003b013z0001)