診療支援
診断

リンパ系糸状虫症(フィラリア症)
Lymphatic Filariasis
松岡 裕之
(自治医科大学客員教授・医動物学部門)

頻度

あまりみない

診断のポイント

【1】海外居住・旅行などの聞き取り。

【2】典型的な皮膚・身体所見(図12)。

【3】乳び尿。

【4】顕微鏡により末梢血液中からミクロフィラリアを検出(図3)。

【5】immunochromatographic testによりミクロフィラリア抗原を検出。

緊急対応の判断基準

 慢性疾患なので緊急性を要することはない。

症候の診かた

【1】糸状虫の感染幼虫をもった蚊に刺されたとき,蚊の口吻から皮膚内に感染幼虫が移行する。幼虫は皮膚からリンパ管に入り成長する。鼠径部のリンパ管内側が好集積地である。

【2】メス成虫は体幅0.25mm,体長80mmにもなる。糸状虫はリンパ管の拡張を引き起こし,リンパ液が滞留する。下肢のリンパ流が数年にわたり還流障害を起こすことで,陰囊水腫,象皮症候が出てくる。また,リンパ液は尿路へ漏出するようになり,乳び尿が現れる。

【3】メス成虫はミクロフィラ

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