診療支援
診断

幼線虫移行症
Larva Migrans by Nematodes
石渡 賢治
(東京慈恵会医科大学教授・熱帯医学)

頻度

あまりみない

診断のポイント

 幼線虫移行症は,寄生線虫の幼虫が体内を移行することによって引き起こされる症候群である。原因となる寄生虫には複数種あるが,寄生虫種による違いよりも幼線虫の移行部位によって病型が大きく皮膚型,内臓型,眼型,中枢神経型に分けられる。以下,病型と所見,括弧内に主な起因寄生虫を示す。以下に示す臓器別の所見末梢血好酸球増多,血清IgE上昇食歴が合えば,積極的に本症を疑う。

【1】皮膚型:遊走性限局性皮下腫瘤あるいは線状の爬行疹(旋尾線虫,顎口虫,動物由来の鉤虫),非移動性の皮下腫瘤(イヌ糸状虫)。

【2】内臓型:急性腹症(旋尾線虫,顎口虫),胸水貯留(顎口虫),肺の孤立性腫瘤(イヌ糸状虫),肺/肝の多発性小結節性陰影(動物由来の回虫)。

【3】眼型:ぶどう膜炎,硝子体炎など(動物由来の回虫,顎口虫,旋尾線虫,イヌ糸状虫)。

【4】中枢神経型:好酸球性髄膜炎(広東住血線虫),

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