頻度
あまりみない
診断のポイント
【1】酸・アルカリに接触した,摂取したというエピソードを聴取する。
【2】接触した部位の疼痛をきたすことが一般的である。
【3】曝露の形態はさまざまで,皮膚への接触,経口摂取,吸入,眼に入ったなどがある。
【4】曝露の背景もさまざまで,自殺企図や小児・高齢者の誤飲,労災事故などがある。
【5】酸とアルカリはいずれも腐食性物質だが,アルカリのほうが深部,広範囲に及ぶ傾向がある。
緊急対応の判断基準
【1】損傷の程度は濃度,pH,摂取量,接触部位,接触時間,接触面積などに影響される。
【2】具体的な基準をあげるのは難しいが,緊急対応の判断に迷う場合には専門的治療が可能な高次の医療機関へ搬送する。
症候の診かた
【1】曝露の形態はさまざまだが,皮膚への接触による化学損傷と経口摂取による消化管粘膜の腐食作用が問題となることが多い。
【2】酸・アルカリ化学損傷の特徴は表1図の通りである。