頻度
あまりみない
GL
天疱瘡診療ガイドライン(2010)
診断のポイント
【1】40~60歳台,女性にやや多い。
【2】皮膚・粘膜の難治性のびらん・水疱。
【3】病理組織学的所見で表皮内水疱。
【4】直接蛍光抗体法で表皮細胞表面にIgG沈着。
【5】血清中から抗デスモグレイン抗体が検出。
症候の診かた
【1】粘膜症状
❶尋常性天疱瘡では,口腔内びらんがほぼ100%の症例にみられ,初発症状になることも多い。口唇・咽喉頭・食道・眼瞼結膜などの重層扁平上皮には,水疱・びらんがみられる可能性がある。重症例では摂食不良となる。一見正常な部位に圧力をかけると表皮が剝離し,びらんを呈するNikolsky現象がみられるため,食事や歯磨きの際に刺激を受けやすい歯肉にびらんが好発する(図1図)。同様に,舌・口蓋・頬粘膜にも高頻度に病変を生じる。
❷腫瘍随伴性天疱瘡でも,口腔内から咽喉頭にかけて広範囲にびらん・潰瘍を生じるが,赤色口