頻度
あまりみない
診断のポイント
【1】良性腫瘍で最も頻度の高いのは腎血管筋脂肪腫(AML:angiomyolipoma)であるが,オンコサイトーマ(oncocytoma),乳頭状腺腫,後腎性腺腫,傍糸球体細胞腫瘍,類上皮性血管筋脂肪腫などその種類は多岐にわたる。
【2】画像検査のみでは悪性腫瘍を否定できず,良性腫瘍と診断した場合でも,経時的変化をみるため経過観察を行う。
緊急対応の判断基準
腎血管筋脂肪腫の最も注意すべき症状は,腫瘍破裂による出血性ショックである。その際は,カテーテルによる選択的腎動脈塞栓術が行われる。
症候の診かた
【1】良性腫瘍は,検診や他疾患の精査などで発見されることが多く,無症状であることがほとんどである。
【2】最も重要なポイントは,腎細胞癌との鑑別である。
検査所見とその読みかた
【1】腎血管筋脂肪腫
❶超音波検査:高エコー領域に描出されるのが典型的。
❷単純CTやMRI検査:脂肪