頻度
ときどきみる
診断のポイント
【1】意識障害,意識の変容。
【2】頭痛,嘔吐など脳圧亢進症状,項部硬直など髄膜刺激症状。
【3】けいれん。
【4】髄液検査で細胞数の増多,一次性では病原体の証明,二次性では自己抗体検出。
【5】CT,MRIで脳浮腫や局在性病変。
緊急対応の判断基準
脳炎は重篤な疾患であり,疑われる場合は呼吸管理や難治なけいれんに対する管理が可能な小児の集中治療ができる施設に搬送する必要がある。
症候の診かた
脳炎は病原体が脳に侵襲して生じる一次性脳炎(ウイルス性脳炎)と,自己免疫を介して生じる二次性脳炎に分類される。ウイルス性脳炎の代表的病原体として単純ヘルぺスウイルス,日本脳炎ウイルス,ムンプスウイルス,エンテロウイルス71などがあり,乳児ではパレコウイルス3型も重要である。小児の二次性脳炎では,抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体脳炎,急性散在性脳脊髄炎(A