本項では小児の慢性糸球体腎炎で最も頻度の高いIgA腎症を中心に記す。
頻度
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GL
小児IgA腎症診療ガイドライン2020
診断のポイント
【1】IgA腎症は,小児の慢性糸球体腎炎のなかで最も頻度が高い疾患である。
【2】病初期は血尿を主体とした尿異常を示し,軽度蛋白尿も早期からみられることが多い。
【3】次第に高度蛋白尿を呈し,腎機能障害へと進行する。
【4】感冒時に肉眼的血尿を呈することがある。
【5】腎糸球体メサンギウム領域へのIgA優位の沈着に加え,メサンギウム細胞増多やメサンギウム基質の増生を認める。
【6】多くが学校検尿などの検尿異常を契機に発見されている。
症候の診かた
病初期は診察上異常を呈することは少ない。進行例や急性発症例では,高血圧や浮腫を呈することがある。
検査所見とその読みかた
【1】病初期は検査異常,なかでも尿所見の異常が中心である。
❶検尿上血尿がほぼ必発で,さらに発熱時に