診療支援
診断

肥厚性幽門狭窄症
Hypertrophic Pyloric Stenosis
木下 義晶
(新潟大学大学院教授・小児外科学)

頻度

よくみる

診断のポイント

【1】生後2~3週間頃から始まる非胆汁性の噴水状嘔吐。

【2】出生1,000人あたり1~5人前後で,男女比は4:1と男児に多い。

【3】家族性があり,第1子,人工乳栄養児に多いとされる。

緊急対応の判断基準

【1】コーヒー残渣様嘔吐:繰り返す嘔吐により逆流性食道炎や胃炎を生じる。胃管による減圧,経口中止,輸液による治療を要する。

【2】低カリウム性低クロール性代謝性アルカローシス:重症例では脱水や胃酸喪失により呈することがあり,初期治療として適切な輸液療法を行う。

症候の診かた

【1】嘔吐:噴水状,非胆汁性。

【2】腹部腫瘤:右上腹部にオリーブ様腫瘤を触知する。

【3】腹部の波動:胃の過蠕動を反映する。

検査所見とその読みかた

【1】腹部単純X線写真:胃内に空気が大量に貯留し,single bubbleの像を呈することが多い(図1)。

【2】腹部超音波:幽門筋の肥厚を示す短軸像のdou

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