今日の診療
診断

大腿ヘルニア
Femoral Hernia
和田 則仁
(神戸大学大学院特命准教授・医療創成工学専攻)

頻度

ときどきみる〔鼠径部ヘルニア(鼠径ヘルニア+大腿ヘルニア)の3%程度を占める。わが国の大腿ヘルニアの手術件数は年4,700件〕

GL

鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015

診断のポイント

【1】60歳以上の女性に多い。

【2】鼠径部の鼠径靱帯より尾側に硬結を触れる。

【3】腸閉塞で発症することが多い。

【4】膨隆以外の急性症状を伴わない慢性非還納性ヘルニアのこともある。

緊急対応の判断基準

【1】急性非還納性ヘルニア(嵌頓),絞扼性ヘルニア(血流障害あり)は緊急手術の適応である。

【2】絞扼性ヘルニアが疑われる急性非還納性ヘルニアを還納した場合,入院経過観察とする。

症候の診かた

【1】鼠径部膨隆(図1):還納性ヘルニアの場合,診察は立位で行う。膨隆は咳嗽で増大し,圧迫で縮小する。

【2】非還納性の場合,鼠径靱帯より尾側に硬結を触れる。

【3】腸管の嵌頓では腸閉塞を伴うことが多い。Richter型大腿ヘルニア

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