◆疾患概念
【定義・病型】
摂食障害は,主に神経性やせ症anorexia nervosa(AN),神経性過食症bulimia nervosa(BN),過食性障害binge-eating disorder(BED)の3病型に大別される.強いやせ願望や肥満恐怖といった体重,体型への過度なこだわりや心理的な原因などにより,拒食や過食,嘔吐をはじめとした病的な摂食行動を呈することが特徴である.ANは極端な食事制限とそれによる著しいるいそうを主症状とし,過食と排出行動の有無により,摂食制限型と過食・排出型に分けられる.また,BNは繰り返す過食エピソードと過剰なカロリー摂取を帳消しにするための排出行動や過剰な運動などの代償行動を中心症状とし,不適切な代償行動を呈さないBEDと区別される.
抑うつ障害や不安障害,強迫性障害,アルコール依存症などほかの精神疾患との合併もよく認められ,患者はさまざまな症状や行