◆疾患概念
【定義・病型】
感応性妄想性障害は2人,時に数人の人々によって妄想や言動が共有される事象を指し,従来,感応精神病,あるいは二人組精神病(folie à deux)といわれたものに相当する.
最初に妄想を確信した者を発端者(感応者)といい,その人に影響を受けて同じ妄想を分かちもつ者を継発者(被感応者)という.狭義の感応精神病を「憑依感応型」と「妄想感応型」に分けた分類(吉野,1978)が知られる.ICD-10では「F24感応性妄想性障害」に分類される.DSM-Ⅳでは「297.3共有精神病性障害」の項があったがDSM-5では削除され,「297.1妄想性障害」などに分類される.Francesも指摘しているように,この臨床単位は独自な臨床的な意義を有し捨てがたい.治療においても特別な対応が要請され,単なる妄想性障害とは一線を画す.そこで,適切と思われるときにはICDコードを用いることが推