診療支援
治療

神経性過食症
bulimia nervosa (BN)
山下達久
(京都府立こども発達支援センター・所長)

◆疾患概念

【定義・病型】

 神経性過食症(BN)では,自制不可能な過食エピソードが繰り返される.本人の自己評価は体重や体型によって大きな影響を受けるため,過食して体重が増えることをおそれ,それを防ぐような代償行動が過食後にみられる.このため,BNでは体重は標準内であるが変動が激しい.

 代償行動のパターンによって,DSM-ⅣではBNは2つの病型に分けられていた.1つは自己誘発性嘔吐や下剤乱用などによる排出型で,もう1つは運動や不食による非排出型である.

 しかし,DSM-5ではこの2つの下位分類はなくなっている.また,BNと同様な過食を認めるが代償行動を伴わない患者は,新たに設けられた過食性障害binge-eating disorder(BED)に入れられる.

【病態・病因】

 過食エピソードでは,大量の食物を一定の時間(例えば2時間以内)に一気に詰め込んでしまう.過食される食物は,カロリーの高い,

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