◆疾患概念
【定義・病型】
DSM-5では,DSM-Ⅳの広汎性発達障害pervasive developmental disorders(PDD)カテゴリーは,自閉スペクトラム症autism spectrum disorder(ASD)へと改名され,PDDの下位に位置づけられていた自閉性障害,アスペルガー障害,特定不能のPDD(PDD not otherwise specified:PDD-NOS)といった病型分類は撤廃された.DSM-ⅣでのPDDは,①対人,②コミュニケーション,③限局的・反復的・常同的パターンの3領域の障害で行動的に定義されていた(①と②と③,①と②,①と③のいずれか)のに対し,DSM-5のASDは,①社会的コミュニケーション障害,②行動,興味,活動の限局の2領域(①と②)によって定義されている.②には言語症状の一部や感覚刺激に対する過敏さ/鈍感さも含めることが明記された