【定義・病型】
初老期に人格変化(人格水準の低下),行動障害(行動抑制の減退,常同行動),言語障害〔自発語の減少(進行性非流暢性失語progressive non-fluent aphasia)から無言状態に至る〕を特徴とする緩徐進行性の認知症で発症し,発症して1-2年以内に運動ニューロン疾患(主として脊髄性進行性筋萎縮症,時に筋萎縮性側索硬化症)が併発する前頭側頭型認知症の一型Frontotemporal Lobar Degeneration with Motor Neuron Disease(FTLD-MND)である.
【病態・病因】
原因は不明である.前頭側頭葉のセロトニン系の機能低下が考えられている.前頭側頭葉と海馬歯状回の神経細胞内にユビキチン陽性,TDP-43陽性,タウ陰性の蛋白が沈着することと運動ニューロンの障害(舌下神経核,脊髄前角細胞の脱落とBunina小体の存在)が特徴と