◆疾患概念
【定義・病型】
非24時間睡眠覚醒症候群は,睡眠覚醒リズムを望ましい生活スケジュール(あるいは24時間周期の昼夜リズム)に合わせることができず,入眠時刻と覚醒時刻が徐々にずれる(多くは日に1-2時間程度ずつ遅れる)ため,夜間の不眠と日中の過剰な眠気(または日中の覚醒困難)・注意集中困難・不定身体愁訴などが周期的に出現し,仕事や学業などの社会生活に支障をきたす疾患である(図1)図.盲目の人に多いが,視覚健常者でもまれに発症する.
【病態・病因】
睡眠は,恒常性維持機構(覚醒が続くと疲労が蓄積して睡眠欲求が高まり,眠ると睡眠欲求が低下する)と,体内時計の働き〔24時間周期で睡眠傾向(眠りやすさ)の上下を繰り返す〕の相互作用で生じると考えられている.体内時計の中枢は視床下部の視交叉上核に存在し,ほぼ24時間周期のリズム(概日リズム)を生み出す.概日リズム本来の周期は24時間よりやや長い場
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