診療支援
治療

鎮痛薬,鎮咳薬依存
analgesic/antitussive dependence
荒井 稔
(東京臨海病院・精神科部長/同院健康医学センター長)
大熊智子
(東京臨海病院・薬剤科科長)

◆入手経路による分類

 鎮痛薬および鎮咳薬の依存については,大きく医師によって投与される薬剤によるものと,一般市販薬によって生じる場合の2種類がある.前者については,処方医の責任のもとに管理される必要があり,後者については,症状に対応した薬剤師の購入支援が適正であることが必須である.

◆依存によって出現する症状群

A.薬物依存

 薬物に耐性が生じ,長期間にわたる大量の薬物摂取によって,その薬剤の薬理学的作用のために,急性中毒や精神症状が発生し,薬物の摂取の中断によって離脱症候群が発現するため日常生活・社会生活に支障がみられることをいう.

B.薬物乱用

 薬剤の反復的な使用の結果として,日常生活・社会生活に支障が出たり,危険な状況下で服薬したり,法的な問題が生じたり,対人関係障害などが生じる場合をいう.

C.物質離脱

 一定の薬剤の長期間,大量摂取が持続したのちに,摂取中断後に当該薬物に特徴的な精神・身体症

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