◆定義
精神科領域における面接は,単に現病歴や既往歴,家族歴,生活歴などの診療情報の聴取や精神科現症を把握するだけでなく,心理療法や精神療法といった治療自体も意味し,さらには治療の詳細な内容や報酬も含めた治療契約の締結をも含んだ幅広い内容を包含している.種々の心理療法や精神療法については他の項目に譲ることとし,この項では特に児童・思春期の患者,興奮している患者,終末期の患者への接し方について解説する.
◆適応
上記の診療場面では,治療の必要性について本人の了解や選択,同意能力に問題や障害が存在することが多い.このような状況は,入院・外来にとどまらず,精神保健福祉法上の任意入院,医療保護入院などの自発的・非自発的入院にかかわらず生じる.このなかで代諾者(多くは保護者)との話し合い,地域のサポートメンバーとの協議や情報提供が診療上大きな役割をはたす.患者とコミュニケーションをとる際は,言葉遣いや