◆定義
精神症状評価尺度は,統合失調症,気分障害,不安障害,認知症など各種精神障害の重症度の測定,スクリーニング,診断,症状特性の把握,治療効果の判定などを目的として開発されたものであり,大きく分けて被験者自身が質問紙に回答する自己記入式質問票と,評価者が被験者と面接を行って評価を行う評価者面接による評価尺度の2つのタイプがある.
◆適応
被験者に評価尺度を用いた各種精神症状の重症度評価を行う際には,評価の目的に応じて,適切な精神症状評価尺度を選択することが望まれる.以下の「分類」では,精神障害別に広く用いられている代表的な評価尺度を抜粋して選んでおり,その概要を紹介する.
◆分類
A.統合失調症の症状評価に用いられる評価尺度
1.簡易精神症状評価尺度Brief Psychiatric Rating Scale(BPRS)
簡便で包括的な精神症状を評価するために開発され,現在も統合失調症の薬効評価