◆定義
脳波electroencephalogram(EEG)は1929年にドイツの精神科医Hans Berger博士により発見された.脳波検査とは,特別に指定されている場合でなければ,頭皮上に装着した電極によってとらえられた脳の電気活動である脳波を脳波計によって増幅し記録することである.特別に指定されている場合とは,例えばてんかん外科手術における皮質脳波や深部脳波などである.
脳波の発生源は大脳皮質の第Ⅴ層錐体細胞の後シナプス電位postsynaptic potential(PSP)であると考えられているが,きわめて微小な電気活動であるため,頭皮上で計測される脳波は,複数の神経細胞の電気活動の空間的な総和である.脳波計を通して計測される脳波の振幅は正常であれば20-100μV程度である.
脳波はリズミカルなサイン波の複合として観測されるが,周波数帯域によってデルタ波δwave(4Hz以下