診療支援
治療

集団精神療法
group psychotherapy
北川信樹
(北大通こころのクリニック・院長(北海道))

◆意義とプロセス

 集団精神療法とは,参加者の健康や幸福に寄与することを目的に,集団を意識して意図的に働きかける活動を総称している.さまざまな定義があるが,おおむね,①集団(2人以上のメンバーと1人以上の訓練を受けた集団療法家)が一定の時間枠で行う精神療法で,②目的はメンバーの,(i)症状・行動の改善,(ii)心理的問題の解決・緩和,(iii)人格的成長におかれ,③目的にかなうように集団が編成され(グループサイズ,問題や疾患別,自我レベルなど),④メンバー間のコミュニケーション,集団の心の動き(集団力動)を活用することと考えてよい.境界は必ずしも明瞭とはいえないが,厳密には,集団精神療法(group psychotherapy),集団療法(group therapy),集団活動(group work),活動集団(work group)などと大別される.集団であることによって,そこには必ず特有

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