◆定義
マインドフルネスとは,パーリー語のサティという言葉の英訳で,日本語では「気づき」,漢語では「念」と訳されている.最近のマインドフルネスの操作的定義は,①一瞬一瞬の体験に意図的に注意を向けること,②今の瞬間の体験に対して心を開き,好奇心をもってアクセプトする(そのままにしておく)こと,③結果的に,思考や感情に対して脱中心化した視点を獲得し,主観的で一過性という「心」の性質を見極めること,としている.マインドフルネスのルーツはブッダが説いた根本経典「呼吸による気づきの教え」だといわれている.ブッダはマインドフルネスにより一切の苦しみから解放されると説いた.
マサチューセッツ大学のカバットジン(1944-)は学生時代に日本の禅者鈴木大拙の影響を受けた.そして,その後,鈴木俊隆の著書“Zen Mind, Beginner's Mind”に出会い,本格的に瞑想を追求した.さらに,曹洞宗の開祖