◆定義
自閉スペクトラム症などの発達障害児者には感覚過敏や不器用さなどが高頻度にみられることがわかっている.感覚統合療法は,そのような発達障害児者の感覚処理機能や運動行為機能を改善するために用いられる.この療法は米国の作業療法士A.J.Ayresが体系化したものである.近年では,自閉スペクトラム症児に適用されることが多い.
感覚統合療法の内容は幅広いが,スイングやアスレチック遊具などを用いて,子どもに豊富な感覚刺激が入る運動活動などを中心として行われるのが一般的である.そのような活動のなかで,子どもが感覚刺激をうまく処理して適切な運動・行動を成し遂げられるように誘導する点も特徴である.
◆適応
発達性協調運動症や自閉スペクトラム症,注意欠如多動症などに適用されることが多い.ただし,社会性の障害に対する効果のエビデンスは不十分である.この療法は発達障害児の協調運動,感覚運動,行動などの改善に効