◆定義
統合失調症は,急性期に精神運動興奮や自殺企図を呈することがあり,精神科救急の第一義的な適応疾患である.その際,いかに的確かつ迅速に安全確保と治療に導入しうるかがきわめて重要であるが,標準的治療が確立しているとは言い切れない.ここでは治療の骨子を提示する.
◆適応
基本的に,統合失調症の急性期は精神科救急の適応である.心配した家族に連れられてくる,自殺をはかって救急隊や身体科救急医療機関から診察を依頼される,暴力や異常行動を呈して警察に保護され,精神保健福祉法第23条の警察官通報(23条通報)から措置診察に至る,など患者が精神科救急に至る経緯はさまざまである.主治医,ないしかかりつけ医療機関において,予約外受診による危機介入が行われることを,ミクロ救急とよぶ.現実には初発例や未受診例を含めミクロ救急では対応できない場合も多い.この際には各地の精神科救急医療システムにかかわる窓口のトリア
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