診療支援
治療

アカシジア(薬剤性)
akathisia (drug-induced)
宮田量治
(山梨県立北病院・副院長)

◆定義

 アカシジアは「静坐不能症」ともいわれる薬剤性錐体外路症状の1つで,原因薬剤の投与開始後か増量後,比較的早期に出現する.身体の違和感(むずむず感,もぞもぞ感)によりじっとしていられなくなり,貧乏揺すり,足の組みかえ,足踏み,徘徊などが顕在化し,主観的苦痛(つらい,我慢できない,落ち着かないなど)を伴う.アカシジアの苦痛に耐えられず自殺に至るケースもある.

◆分類

 アカシジアには,原因薬剤投与開始後・増量後3日から2週間以内(遅くとも6週間以内)に生じる急性アカシジア,抗精神病薬投与開始から3か月以上経過した維持治療中に新たに生じる遅発性アカシジア,抗精神病薬減量後・中止後6週間以内に生じる離脱性アカシジアがあり,いずれも3か月以上持続すると慢性アカシジアといわれる.

◆病態・病因

 急性アカシジアは,ドパミン受容体遮断作用を有する薬剤により黒質・線条体系のドパミン活性が低下(コリン活性が相

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