診療支援
治療

小児救急医療における鎮静
procedural sedation for pediatric emergency care
松井 鋭
(兵庫県立こども病院救急科・医長)

 救急での鎮静は待機的に行う鎮静と比べて,児の状態が不安定であったり迅速性が必要であったりすることが多い.

 よって鎮静薬による有害事象が起こることも多いため,鎮静を行う前にもう一度,鎮静を行うための処置や検査が今その子どもにとって本当に必要か,鎮静の方法として,おしゃぶりや固定具の使用,養育者が付き添うこと,動画を見せること,事前のプレパレーション,などで代用できないかを考える必要がある.

A.鎮静薬使用前の確認と準備

1.AMPLEの確認

 アレルギー(A),薬剤歴(M),既往歴(P),最終経口摂取時刻(L),現病歴(E)を確認する.鎮静に対する各ガイドラインでは,経口摂取制限時間を透明水分は2時間,母乳は4時間,人工乳・牛乳・軽食は6時間,それ以外の固形物は8時間,としているものが多いが,それ以内であっても,以上であっても,特に状態の悪い児には注意が必要である.

2.ABCDEの評価

 薬剤投与

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?