治療のポイント
・自施設で使用可能な抗けいれん薬とその体重あたり投与量をすぐ確認できるようにしておく.
・けいれん発作が続いている場合,酸素投与を行いながら呼吸・循環モニターを装着し,マスク&バッグの準備を整える.
・けいれん発作が完全に止まっているかどうかなどの状況判断に迷う場合はオーバートリアージを原則とする.
・けいれん重積に対するガイドラインが2017年に小児神経学会から公開されている.
●病態
・小児はけいれん閾値が低く,さまざまな病態でけいれんを起こす.
・特に乳児期は代謝異常症,中枢神経系の構造異常,感染症などけいれん発作の原因は多岐にわたる.幼児期は有熱性であれば熱性けいれんが圧倒的に多く,無熱性ならば胃腸炎関連けいれんやてんかんが多い.学童期以降は無熱性のものが多くなり,てんかんや心因性が増加する.
・各年代を通じて不整脈も鑑別疾患として重要である.
●治療方針
けいれんへの救急対応を薬剤治療を中心に以下に解説するが,酸素投与と簡易心電図モニター,動脈血酸素飽和度モニターの装着は全例に行うことが望ましく,薬物投与を実施する場合は常にマスク&バッグが実施可能な状況であることを確認してから行う.
A.けいれんが5分以上続いている(続くことが予想される)場合
Px処方例 すみやかに末梢血管を確保し,下記のいずれかを用いる.投与終了後数分経っても止まらなければ同量を1回追加する.
➊ホリゾン薬注 1回0.3mg/kg(最大量0.5mg/kg) 緩徐に静注
➋ミダフレッサ薬注 1回0.1mg/kg(最大量0.3mg/kg) 緩徐に静注
➌ドルミカム薬注 1回0.1mg/kg(最大量0.3mg/kg 緩徐に静注
実施する場合は生理食塩液薬を用いて5倍に希釈し,1mg/mLとして使用する.
血管確保時に血液検査を提出して血糖・電解質・血液ガス・アンモニアなどを確認する.補正可能な異常値があればすみ
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