●病態
・熱傷の定義は,熱や急性の外的要因への曝露によって皮膚および各組織が損傷を受けることとされる.熱傷の原因としては温熱熱傷が最も頻度が高く,化学熱傷,放射線熱傷,電撃症が続く.
・小児では,乳幼児の加熱液体による温熱熱傷が多い.65度の加熱液体ではたった2秒で皮膚のⅡ度熱傷を引き起こす.
・熱傷深達度の推定については表2図のように症状で分類でき,Ⅱ度熱傷以上の熱傷面積を算定する必要がある.熱傷面積の算定方法として,小児では5の法則が知られている(図1図)が,臨床現場では手掌法が使用しやすく,患者本人の全指腹と手掌で約1%の熱傷面積とし実際の熱傷面積を算定できる.
・入院適応については,古典的にArtzの基準(表3図)があるが,小児において基準が妥当かどうかは不明である.深達度や熱傷面積のほか,不適切な家庭環境,虐待またはネグレクトが疑われる場合,自宅から病院までのアクセスなども考慮する.
・虐