子どもは,内在する自らの気もちを言語化する能力が未熟で,行動化・身体化で表現される傾向がある.また,特に思春期では心的成長の1段階として大人や権威に対する反発心を抱くこともあり,必ずしも診察に協力できるとは限らない点についても留意する.
精神科救急医療については,「日本精神科救急医療ガイドライン2015年版」にわかりやすくまとめられている.
救急受診を要するケースは,その背景に精神病圏,神経症圏,自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動性症(ADHD),摂食障害群,知的能力障害(ID),素行障害群,冷遇虐待やネグレクトを受けた児童,などが存在する.
救急受診時には,①精神科救急か身体科救急かをすみやかに判断する,②意識障害→器質性疾患(児童思春期では少数だが薬物由来のもの)→精神病→心因性疾患の順に除外・鑑別する,③司法的問題の有無を判断する,④帰宅の可否を判断し,あわせて非自発入院