手技全般にいえることだが,手技それ自体に固執してはならない.常に患児の状態変化に気を配り,安全に処置を行うことが最も重要である.
A.採血全般について
1.説明と同意
保護者の理解を得て同意を得たのちに,幼児以上では採血の必要性を本人に説明する.処置の間も声かけをしながら恐怖心を取り除く.
2.感染予防
本人が感染症患者である場合には,病原体と感染経路に応じた感染対策(空気感染・飛沫感染・接触感染など)が必要である.そして感染症の有無にかかわらず,すべての患児のケアに際して標準予防策を実施する.処置の前後で処置者・介助者ともに手指衛生を徹底する.
3.介助
抑制のため抑制ボードやバスタオルなどで代用し,固定する.2関節を固定することで大きな体動は抑制が可能である.
4.皮膚消毒
明確な皮膚障害や感染部位の採血は避ける.アルコールで清拭するが,薬液が残った状態では消毒が不十分であり,疼痛の原因にもな