髄液穿刺は,小児診療において習得すべき手技の1つである.合併症に留意しながら,最小限の苦痛の範囲で安全に行う.
A.適応
a)中枢神経系感染(髄膜炎,脳炎)
b)くも膜下出血
c)中枢神経系の腫瘍(悪性腫瘍の髄腔内転移も含め)
d)脱髄変性疾患〔Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群など〕
e)髄腔内への各種薬剤投与
B.禁忌
a)頭蓋内圧亢進状態(脳浮腫,脳出血,脳腫瘍などにより進行性脳ヘルニアの可能性がある状態)
b)不安定な呼吸・循環動態
c)穿刺部の感染
d)出血傾向・凝固異常(DICも含む)
C.手技
親と児への十分な説明とともに児の全身評価,モニター装着を行う.
a.体位 基本的に側臥位姿勢.児の肩や腰はベッドに対して垂直にし,脊椎に捻れがないように直線にする.児の両膝部を胸部に近づけ抱え込む姿勢で,穿刺部の棘突起間を広くする.頸部の過屈曲により気道閉塞を起こすこともあ