Ⅰ.洗腸
A.適応
対象となる疾患はHirschsprung(ヒルシュスプルング)病,直腸肛門奇形,二分脊椎などの神経性直腸肛門障害疾患である.また慢性便秘,遺糞症や術前の腸内容除去の目的で行う.
B.手技
乳幼児は仰臥位,年長児は側臥位で行うことが多い.抵抗がないことを確認しながらカテーテルを肛門に挿入する.洗浄液は生理食塩液(年長児では水道水でもよい)を体温程度に温めて使用する.
乳幼児ではシリンジを用いて行うことが多いが,圧がかかりすぎないように注意が必要である.可能であればイルリガートルを用いて100cmH2Oを超えない落差注入を行う.
洗浄液は自然排液もしくはシリンジで吸引して排出させ,洗浄液がきれいになるまで繰り返し行う.排液が不十分な場合は先端を数cm程度ずつずらしながら排液させる.
C.注意点
重大な合併症として腸管穿孔がある.抵抗がある際には注入をしてはならない.