A.生理機能
1.体温・心拍・呼吸
子どもは低年齢なほど新陳代謝が盛んなので,心拍数や呼吸数は成人より多く,体温は高めである.子どもの血管壁は薄く硬化が少ないため,血圧は低めである.
体温は食物の摂取や啼泣などに伴う変動が認められ,精神的緊張によっても発熱をみる場合がある.また乳児では体温調節機能が未熟なため,外気温や水分不足などの影響を受けやすい.一般に睡眠中の早朝が最も低く,夕方が最も高いという日内変動をしているが,この24時間を周期とする体温の日内変動は乳児期には不鮮明で,年長児になって鮮明となる.
2.水分とその調節
体液量の体重に占める割合は年齢によって異なり,新生児で80%,乳児では70%,幼児以降成人までは60%となっている.乳幼児は成人と比べ,体重あたりの必要水分量や不感蒸泄量も多い.さらに腎臓の尿濃縮力も未熟であり,水分不足になる要素が多く,下痢や嘔吐などの症状のある場合には